高齢の親が以前より歩くスピードが遅くなったと感じたら|家族ができること

「親と一緒に歩くと、以前より待つことが増えた」
「横断歩道を渡るのに時間がかかるようになった」
「外出すると、すぐに休みたがる」
高齢の親御さまと久しぶりに外出したとき、このような変化に気づくことがあります。
歩く速度の低下には、下半身の筋力やバランス能力、体力、関節の動きなどが関係している場合があります。一方で、病気や体調の変化が背景にあることもあるため、単純に「年齢のせい」「筋力不足」と決めつけないことも大切です。
歩く速度は身体機能を確認する一つの目安
歩くことは、買い物、通院、外出など、自立した生活を支える基本的な動作です。
国立長寿医療研究センターでは、歩行速度の低下をフレイルの特徴の一つとして挙げています。
ただし、歩く速度が遅くなったからといって、すぐにフレイルと判断できるわけではありません。
筋力低下、活動量の減少、膝や股関節の不安、バランス能力、心肺機能など、さまざまな要素を含めて考える必要があります。
家族が確認したい歩き方の変化
歩く速度だけでなく、以前との違いを確認してみましょう。
- 歩幅が小さくなった
- 足が上がりにくく、すり足のようになった
- 家具や壁につかまることが増えた
- 歩いていると左右にふらつく
- 少し歩くだけで休むことが増えた
- 外出そのものを避けるようになった
- 段差や階段を嫌がるようになった
一つの変化だけで原因を判断するのではなく、「いつ頃から」「以前と比べてどう変わったか」を見ることが大切です。
階段だけ上りにくくなっている場合は、
「高齢者が歩けるのに階段を上れないのはなぜ?股関節筋力の重要性」
ふらつきなどで転倒が心配な場合は、
「高齢者の転倒が心配なときに家族ができること|自宅で始める運動サポート」
でも詳しく解説しています。
歩く力を支えるのは脚だけではない
歩行には、太ももやお尻、ふくらはぎなどの筋力に加えて、バランス能力、関節の動き、姿勢、全身の体力が関係します。
そのため、「歩くのが遅くなったから、たくさん歩けばよい」とは限りません。
身体機能が低下している方が急に長時間歩いたり、無理に速く歩いたりすると、疲労やふらつきにつながる場合があります。
厚生労働省も、高齢者では個人差を踏まえて運動量や強度を調整し、筋力、バランス、柔軟性などを組み合わせた運動を行うことを推奨しています。
自宅で取り入れやすい運動
椅子からゆっくり立ち上がる
安定した椅子からゆっくり立ち上がり、ゆっくり座ります。
太ももやお尻など、歩行にも必要な下半身を使う運動です。最初は手を使っても構いません。
立ち上がりそのものが難しい場合は、
の記事も参考にしてください。
椅子につかまってかかとを上げる
安定した椅子や壁につかまり、両足のかかとをゆっくり上げ下げします。
ふくらはぎは、歩くときに身体を前へ運ぶ動きにも関係します。
安全な場所で短い距離を歩く
長時間歩くことよりも、まずは安全に歩ける距離から始めます。
姿勢や歩幅を無理に変えたり、急に速歩きをしたりする必要はありません。疲労やふらつきが出ない範囲で行いましょう。
急に歩き方が変わった場合は医療機関へ
次のような場合は、運動より先に医療機関へ相談してください。
- 急に歩けなくなった、急激に歩行が遅くなった
- 片側の手足に力が入りにくい、しびれがある
- 強い腰痛や脚の痛みがある
- 膝や足に腫れ、熱感がある
- 胸の痛みや強い息苦しさがある
- めまいや強いふらつきがある
- 転倒後から歩き方が変わった
- 急な体力低下や強い倦怠感がある
出張パーソナルトレーニングは、病気やけがの診断・治療を行う医療行為ではありません。
ご家族が見守れる運動環境を
高齢の方では、身体機能や持病、生活環境によって適した運動が異なります。
Longevity Conditioningでは、ご自宅へ伺い、歩き方、立ち上がり、下半身の筋力、バランスなどを確認しながら、その方に合わせて運動内容を調整します。
ジムまで移動する必要がなく、普段生活している環境で運動できることも出張型の特徴です。
離れて暮らす親御さまの場合には、ご希望に応じてトレーニングの状況をご家族へ共有することも可能です。
「高齢者の運動は何から始める?自宅で無理なく続けるためのポイント」
もご参考ください。
まとめ
高齢の親御さまの歩く速度が遅くなったと感じたときは、速度だけでなく、歩幅、ふらつき、疲れやすさ、外出頻度などの変化も確認してみましょう。
歩行を支えるためには、歩く練習だけではなく、下半身の筋力、バランス、関節の動き、体力などを身体の状態に合わせて整えていくことが大切です。
「何から始めればよいかわからない」「一人で運動させるのが心配」という場合は、自宅で身体の状態を確認しながら進める方法もあります。
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参考資料
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」高齢者版
- 国立長寿医療研究センター「フレイルの原因は?」
- 国立長寿医療研究センター「歩行速度と要介護との関連性」
- Zhang S, et al. Twenty-year prospective cohort study of the association between gait speed and incident disability: The NILS-LSA project. Geriatrics & Gerontology International. 2022.

